皮膚の最も基本的な役割は、体を保護することです。何から体を守るのでしょう?まず第一に、物理的、機械的な力に対してです。 物がぶつかったり、押されたり、擦れたりと体には外界からさまざまな力が加わります。しかし、皮膚はしなやかさと弾力性と強さをうまくかねそなえていて、 スプリングのように外から加わった力を吸収します。その上、もしも傷がついても自分で治してしまう能力を皮膚は持っているのです。

第二に、皮膚は外界から水やいろいろな化学物質が侵入するのを防ぐ役目もしています。生物の体は、きちんと決められた成分からできており、 余計な物質がむやみに入ってきては困る。反対に、体の中の必要な成分が外へ逃げ出しても困るので、皮膚はバリアーを作っているのです。 体の中の水が蒸発するのを防ぐのもそのひとつです。また、ばい菌などの微生物の侵入を防ぐのも皮膚の大事な仕事であるし、太陽光線が体の中まで届かないように遮断する働きも持っています。
次に、皮膚は体温を調節する役目を担っています。人間の体の中では食物を燃やしてエネルギーを生産しており、その際に出てくる余分な熱の約70%は皮膚から発散されます。 寒いときには皮膚は縮まり、表面積が小さくなって熱の発散を少なくし、暑いときは拡がって表面積を大きくし、熱の発散を増大させるのです。さらに、汗をかいて体温を下げる作用も持っています。 皮膚は呼吸もしています。肺呼吸に比べると皮膚の呼吸はマイナーで、肺の呼吸量のおよそ200分の1ぐらいといわれています。
皮膚のもうひとつの働きは、感覚器官としての働きです。痛み、熱さ、冷たさ、押された感じなどを感ずることができます。 これらを感ずることによって、危険が迫ってくるのを知って身を守ったり、温度の変化に対応することができるのです。